最近、映画やドラマ、アニメを観るのにハマっている小田勝宣です。
今日見た映画『窮鼠はチーズの夢を見る』という映画が、なかなか面白かったので、レビューしていきたいと思います。
この映画は、同性愛について描かれている作品です。
そして同性愛といえば、SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」や目標10「人や国の不平等をなくそう」と関わってくるテーマでもあります。
そこで今回は、この映画の中で私が感じたことをSDGsを絡めながら記事にしたいと思います。
無意識に同性愛を異常だと考えてしまうことについて
この映画を見ると、同性愛者の生きづらさを改めて思い知らされます。
物語は、主人公の恭一(大倉忠義)が大学時代の後輩、今ヶ瀬(成田凌)と再会するところから始まります。
今ヶ瀬は、大学時代からずっと恭一のことが好きでした。
このあと距離を縮める2人ですが、その過程では色々と気になる描写がありました。
たとえば、主人公の元カノ・夏生(さとうほなみ)が、自分と今ヶ瀬のどちらを選ぶのかと詰め寄るシーンでは、こんな発言がありました。
「女と男だよ。わかってる?」
これは、異性愛と同性愛なら「比べるまでもなく」異性愛が上という意識が働いた発言です。
また、直後のシーンでは、恭一が今ヶ瀬にこう発言しています。
「俺はお前を選ぶわけにはいかない。普通の男には無理だよ。分かるよな」
ここでは「普通の男」というワードから、裏を返せば「同性愛=異常」という考えがあることを裏付けています。
さらに、直接的な発言ではありませんが、恭一が今ヶ瀬との関係について、「彼氏」という表現をせず「友達」であると人前で説明するのも、カップルだと思われること(そして同性愛者だと思われること)を避けているからと言えるでしょう。
上記の描写は、今の日本社会をよく表していると思います。
同性愛は何もおかしいことではないと私は考えています。
人が人を好きになることは、とても崇高なことだと思いますし、それに性別は関係ないと思っています。
したがって、異性愛と同性愛の間に優劣なんてものはありえないと思います。
しかし実際には、上記のような発言を、私は生きている中で何度も耳にしたことがあります。
彼ら彼女らは、別に悪気があって(差別をしようとして)言っているわけではないことを、私は理解しています。
また、私自身も今まで一度もそういう言動をしたことがないとは言い切れません。
それどころか、もしかしたら今でも無意識にしているかもしれません。
だからやっぱり、同性愛者にとって日本という国はまだまだ生きづらい社会だと思います。
幸せのロールモデルの少なさについて
もうひとつの気づきは、性的少数者の自己肯定感の低さについてです。
今ヶ瀬は、上記に挙げたような差別的発言に対して、諦めたような対応を取っています。
これは、「自分はゲイだから、幸せになることはできない」と考えているのではないかと思います。
その原因は、性的少数者にとっての幸せのロールモデルが少ないことではないかと私は考えています。
たとえばこんな質問があったとしたらどうでしょうか。
「ゲイカップルの幸せ」ってどんな暮らしだと思う?
もしこれが急に聞かれた質問であれば、私はこう答えたと思います。
う~ん。両者の親や友達からカップルであることを祝福され、同棲ができているゲイカップルかなぁ。
たしかに、今の日本社会を考えれば、このようなカップルは恵まれていると思います。
でももしこれが異性愛者同士の幸せについての質問だったら?
そんなレベルでいいの?と言われると思いませんか。
現在、多くの自治体でパートナーシップ制度の導入が進んできています。
最近では、同性婚の法整備についての議論も進んできています。
では、そこがゴールなのか。私はそうではないと思います。
性的少数者が、そうでない人と同じだけの幸せのロールモデルを思い描けること。
それこそがゴールではないかと考えています。
まとめ
LGBT総合研究所の「LGBT意識行動調査2019」によると、日本におけるLGBT・性的少数者の割合が約10%と調査結果が出ているそうです。
10人に1人であれば、クラスや職場はもちろん、友達や家族にもいて当然の数字です。
もちろん、皆が性指向や性自認を明らかにしているわけではないですし、する必要もないので、具体的に「誰が」LGBT・性的少数者なのかを把握することはできないと思います。
だからこそ、誰に対しても「この人は性的少数者ではないはず」と勝手に憶測を立てて接することはしないように気を付けたいと思いますし、できればこの記事を読んでくださった方にも実践していただければと思います。
小さなことですが、この積み重ねによって、社会は変わっていくと信じています。
今回の記事がきっかけで映画『窮鼠はチーズの夢を見る』が気になった人は、amazon prime videoで観ることができますので、ぜひご覧ください。
SDGsについて書いた記事です!
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