SDGsの観点からみるシェアリングエコノミーの可能性

大量生産・大量消費の生活スタイルを見直そうと叫ばれるようになって久しいと思います。

また、これからの時代はSDGs「持続可能な開発目標」が大切だと言われます。

こうした大量生産・大量消費の生活を「持続可能な」生活に変えていくための方法は、今はまだはっきりと示されていません。

しかし、ヒントになることがあります。それが「シェアリングエコノミー」です。

今回は、シェアリングエコノミーの概念と具体例から、SDGsとの関連性について考えていきたいと思います。

目次

シェアリングエコノミーとは?

一般社団法人シェアリングエコノミー協会によると、シェアリングエコノミーは以下のように定義されています。

シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して個人と個人・企業等の間でモノ・場所・技能などを売買・貸し借りする等の経済モデルです。

一般社団法人シェアリングエコノミー協会HP より引用
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個人的な見解としては、「インターネットを介して」と限定する必要はなく、一時的な消費に留まらない「持続可能な」モノ・サービスの展開だと考えています。

ちなみに、英語版Wikipediaの “Sharing economy”のページでは、以下のように定義されています。

“the sharing economy is an IT-facilitated peer-to-peer model for commercial or non-commercial sharing of underutilized goods and service capacity through an intermediary without transfer of ownership”

The Free Encyclopedia Wikipedia より引用

(意訳)
シェアリングエコノミーとは、ITによって促進・活用されたピア・ツー・ピアの経済モデルであり、所有権の移転を伴わない仲介方法で、活用されていない商品やサービスの能力を商業的または非商業的に共有するものです。

「所有権の移転を伴わない」という部分がポイントで、所有することではなく使用することに重きを置いたのがシェアリングエコノミーといえると思います。

ちなみにピア・ツー・ピア(P2P)は、インターネット用語で「コンピューター同士が対等の立場でデータを交信するシステム」を意味します。これは、貸し借りを行う者同士が対等な関係である(中央集権的でない)ことを示していると考えられます。

シェアリングエコノミーの具体例

前述のシェアリングエコノミー協会によると、シェアリングエコノミーは以下5つに分類ができるそうです。

  1. Space(空間)のシェア
  2. Skill(技術)のシェア
  3. Mobility(移動性)のシェア
  4. Money(お金)のシェア
  5. Goods(モノ)のシェア

ひとつひとつ、具体例を見ていきましょう。

Space(空間)のシェア

空間のシェアとして最も有名なのは「Airbnb(エアビーアンドビー)」です。

Airbnbは、使っていない家や部屋を貸したり借りたりできるサービスを展開していて、世界中で広く親しまれています。

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日本でもインバウンド需要から「民泊」が注目されましたが、その先駆けとなった企業といってよいと思います!

Skill(技術)のシェア

個人の持っているスキルを提供するサービスとして有名なのは「coconala(ココナラ)」があります。

coconalaは、「イラストを描く」「翻訳をする」「サイトを作る」など、多種多様なニーズとスキルをマッチングしています。

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ちなみに私のアイコンも、coconalaでつくっていただいたものです!

他にも最近では、家事代行が注目を浴びていますが、これもスキルのシェアといえるでしょう。

Mobility(移動性)のシェア

移動性のシェアとして有名なのはカーシェアリングの「タイムズカー」があります。

カーシェアは、車をモノではなく移動手段と考え、使いたい人が使いたい時間に使えるようにする仕組みです。

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シェアリングエコノミーの代表格ともいえるサービスです!

Money(お金)のシェア

「お金のシェア」という言葉は、いまいちピンと来ない人もいると思いますが、最近話題のクラウドファンディングが該当します。

日本で有名なクラウドファンディングサービスといえば「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でしょう。

クラウドファンディングとは、熱い想いや理念はあるけどお金がない人や企業が、プロジェクトを公開して資金を集めることです。

多くのクラウドファンディングはリターン(出資したお金に応じた返礼品など)を設定しているので、モノとお金の交換のように感じがちです。

しかし、立案者は「技術はあるけどお金がない」、出資者は「お金はあるけど、技術がない」という状態から、お互いが提供できるものをシェアすることで目的を達成するため、売買ではなくシェアリングエコノミーといえると思います。

Goods(モノ)のシェア

モノのシェアは、フリマアプリが該当します。有名なのは「メルカリ」です。

転売目的の出品などもありますが、基本的には「使わなくなったモノ」の売買の場を提供するのがフリマアプリの役割です。

最近では、メルカリで買った本を読み終わったら出品→売却したお金でまた本を買うというサイクルになっている人も多いらしく、まさに所有から共有の時代になったことを感じます。

シェアリングエコノミーで貢献できるSDGs

具体例を見たところで、シェアリングエコノミーがSDGsとどう関連するのか探ってみたいと思います。

目標12「つくる責任 つかう責任」

モノのシェアという観点では、新しく生産されるモノが減るというメリットがあり、これはSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に繋がります。

もし人1人につき車1台を持つと、人の数だけ車を生産する=材料やエネルギーが必要となります。

しかし、2人で1台の車を使うようになれば、材料やエネルギーはその半分で済むようになります。

私たちの暮らしは、地球環境が生産できる自然資源の量の1.7倍のペースの消費によって成り立っていると言われており、このままでは暮らしていけなくなります。

シェアリングエコノミーはこの状況を打破する有効な手となると期待されています。

目標8「働きがいも経済成長も」

技術のシェアという観点では、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」に関連します。

たとえば家事代行(家事スキルのシェア)が進めば、

  • 家事代行でお金を稼ぐ人
  • 家事代行によって浮いた時間をを有意義に使えるようになる人

が生まれます。まさにWin-Winの関係であり、SDGsの目指す社会であるともいえるでしょう。

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

また、お金のシェア、とくにクラウドファンディングは、SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」と合致します。

SDGsは、今のままの社会では到底叶いそうにない目標が立ち並んでいます。2030年までに達成するためには、大きな改革(イノベーション)が必要です。

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クラウドファンディングは、夢物語にも思える壮大なプロジェクトを達成するための強力な手助けになるはずです。

まとめ

シェアリングエコノミーは、わかりやすそうで意外と難しい概念ですが、ポイントは「所有ではなく共有」を大切にする考え方という点です。

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限りある資源や時間を最大限有効活用しようとする取り組みがシェアリングエコノミーであり、この流れは当分変わることはないと思います。

もしシェアリングエコノミーに興味が出てきたら、今日取り上げたサービスを一度試してみるのをおすすめします。

SDGsについて書いた記事です!

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この記事を書いた人

毎日の生活をもっと楽しく、いきいきと過ごすために日々奮闘しています。取得資格はTOEIC925点、英検準1級、日商簿記2級など。趣味は読書とブログ執筆。当ブログ以外にも2つのサイトを運営しています。

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