菅政権における環境問題・環境政策を振り返る

菅総理が総裁選出馬を見送りました。

菅政権に対する評価は、賛否両論あると思いますが、今回は環境問題というテーマで私見を述べていきたいと思います。

結論から言うと、菅総理の環境政策については良い点と悪い点がひとつずつあったように感じます。

良かった点は、カーボンニュートラルを宣言し、これから日本が進むべき道を示したことです。

悪かった点は、小泉進次郎氏を環境大臣として続投させたことです。

それぞれについて、振り返りもかねて深掘りしていきたいと思います。

目次

カーボンニュートラル宣言について

2020年10月26日 第203回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説 より

2020年10月26日は、後世にも語り継がれる日になるかもしれません。

この日、臨時国会の所信表明演説で、菅首相はこのように宣言しました。

「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします」

安倍前首相時代は、2050年までに温室効果ガスの排出量を80%削減するという目標でした。

一方、世界的にはカーボンニュートラルを掲げる流れが出来上がってきていました。

正直言ってしまえば、遅かれ早かれ、誰かがカーボンニュートラルを宣言するのは明白な状況だったと思います。

しかし、カーボンニュートラルはとても厳しい目標であるため、各所からの反発も予想されるものでした。

そうした状況を踏まえると、きちっと世界に向けて宣言をしたことは素直に称賛に値すると思います。

実際、この表明に対しては海外からの評判も上々です。

「演説で示された果敢な決断を心から歓迎し、高く評価する。完全に支持する。日本のリーダーシップを心強く思い、感謝する」

グテーレス国連事務総長(10月27日)(菅総理との電話会談にて)

「2050年までに日本をネットゼロにすることを約束した菅総理のリーダーシップは、1.5℃の目標に向けた重要な貢献であり、素晴らしいことである。私は全ての国が2020年に長期戦略を提出することを強く奨励する。」

エスピノザ国連気候変動枠組条約事務局長(10月26日)(ツイート)

「全ての先進国が気候変動対策を止めるため各国が自らの取組を設定すべきという目標に日本が加わることを心から歓迎する。日本は、良き友人、同盟国であり、2050年排出ネットゼロに向けて一緒に取り組むことを楽しみにしている。世界は気候変動問題に対して一つになりつつある。」

フォン・デア・ライエン欧州委員長(10月26日)(ツイート)

引用元:経済産業省「2050年カーボンニュートラルを巡る国内外の動き」より

カーボンニュートラルは簡単に達成できる目標ではありませんが、国際的に連携することに期待したいと思います。

のり

もちろん、個人ベースでの取り組みも大事!私もエコな生活を心がけます!

小泉環境大臣について

2020年10月30日 第42回地球温暖化対策推進本部 より

小泉進次郎氏が環境相に就任したのは、2019年の第4次安倍第2次改造内閣のときです。

したがって、菅内閣発足時は再任という形です。

なので、菅首相のミスとまでは言えないのですが、とにかく小泉進次郎氏を環境相に据えたのは大きな痛手だったと思います。

SDGsが叫ばれるようになって久しい昨今において、環境政策は非常に大事な分野です。

小泉氏は菅首相就任時にはすでに「セクシー」発言で国民からの不信感が溜まっている状況でした。

そんな中で彼が打ち出したのがレジ袋の有料化です。

レジ袋という身近なものだからこそ、マスコミも国民も大きく反応しました。

施策の内容が深く吟味されることもなく、

 

やっぱり小泉進次郎はなんもわかってない

こんな評価が下される結果となってしまったように思います。

しかし冷静に考えれば、レジ袋有料化自体はそこまで悪い施策ではありません。

プラスチックによる海洋汚染や、生成過程・焼却過程における温室効果ガス等の発生など、減らせるなら減らしたほうが良いのは間違いないからです。

事実、諸外国(とくにヨーロッパ圏)では、脱プラスチックの機運は非常に高まっています。

こう考えると、施策そのものではなく、小泉氏を広告塔として掲げたことが失敗のように思えて仕方ありません。

日本はG7で、もっとも環境意識が低い国であるという調査結果があります。
環境意識が低い日本において、知名度のある小泉氏を環境大臣にしたのは、啓蒙の意味があったのだと思います。
しかし、「セクシー」発言で国民からの不信感を買っていた状況では、彼の知名度は逆方向に作用してしまいました。

これは本当にもったいないことだったと思います。

のり

この件については、「誰が言うか」が大事なんだと考えさせられました…

まとめ

なんやかんやと言われた菅政権でしたが、環境政策という観点でいえば、それなりの功績を残したのではないかと思います。

特に「カーボンニュートラル」については、日本の環境政策史における歴史的な一歩を踏み出したと言っても過言ではありません。

のり

次期首相が誰になるのかは、この記事の執筆時点(2021年9月7日)ではまだわかりませんが、「カーボンニュートラル」の達成に向けて強いリーダーシップをもって進められる人になることを願っています。

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この記事を書いた人

毎日の生活をもっと楽しく、いきいきと過ごすために日々奮闘しています。取得資格はTOEIC925点、英検準1級、日商簿記2級など。趣味は読書とブログ執筆。当ブログ以外にも2つのサイトを運営しています。

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