死刑囚が刑務所に行かない理由

死刑囚は基本的に刑務所へは行かず、拘置所で待機してるって知っていましたか。

恥ずかしながら私は、死刑囚が刑務所にいないなんて全く知りませんでした。

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死刑囚って刑務所で労働をしているんじゃないの!?

死刑囚がなぜ刑務所に行かないのか。

それは、刑務所が禁錮刑や懲役刑を執行するための場所であって、死刑をする場所ではないからです。

シンプルな答えですが、この答えを正しく理解するには以下の知識が必要です。

  • 日本における「刑罰」の種類と違い
  • 留置場・拘置所・刑務所の違い

そこでこの記事では上記2点を解説し、死刑囚が刑務所に行かない理由を詳しくみていくことにします。

記事執筆にあたって参考にしました!

目次

日本の刑罰を分類する

さっそくですが、日本には5種類の刑罰があると言われています。

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刑罰の名前内容備考
拘留(こうりゅう)1日以上30日以内の短期間の服役をする作業義務なし
禁錮(きんこ)無期または1か月以上20年以内の長期にわたる拘禁が課される作業義務なし
懲役(ちょうえき)拘禁に加えて作業義務が課される
罰金定められた金銭を支払う1万円未満が科料、1万円以上が罰金
死刑命をもって償う

懲役や罰金はなんとなくイメージできると思いますが、拘留や禁錮を正しく理解できている人は多くないと思います。

拘留や禁錮は、常時監視を受けるというもので、1か月以内であれば拘留、それ以上であれば禁錮という分け方です。

拘留であれば刑務所に移されることはほとんどなく、拘置所で刑期を終えることが多いようです。

また、禁錮刑に作業義務はないものの、常時監視されるストレスから、自ら軽作業を願い出る人も少なくないとか。

一般に、拘留と禁錮に懲役を加えた3つの刑罰は「自由刑」と呼ばれ、受刑者の自由が制限されるというのが大きな特徴です。

一方、死刑は命をもって罪をつぐなう刑罰(「生命刑」と呼ばれます)であり、自由を制限する刑罰ではありません。

もうおわかりでしょうか。

そう、死刑に「自由の制限」がないため、死刑囚は刑務所(自由を制限する場所)に行く必要がないということになります。

留置場・拘置所・刑務所の違い

では死刑囚はどこにいるのか。いくら自由刑でないからといって街中をうろつかせるわけにはいきません。

死刑囚の居場所、それは拘置所です。

ここで疑問がいくつか出てくると思います。

 

刑務所と拘置所ってなにが違うの?

 

留置場って言葉も聞いたことがあるんだけど…

意味が混同されやすい「留置場」「拘置所」「刑務所」の違いはそれぞれこうなります。

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場所管轄対象何のため
留置場警察容疑者勾留するため
拘置所法務省被告人・死刑囚など勾留するため
刑務所法務省受刑者刑を受けさせるため

まず留置場ですが、これは管轄が警察となっており、場所も警察署の中ということが多いようです。

留置場は、容疑者が取り調べ以外の時間を過ごす場所です。

留置場で寝泊りもできますが、座卓や寝具は備え付けられておらず、必要なときに渡されるシステムです。

続いて拘置所。こちらは容疑者が起訴されたあとに連れてこられる場所で、管轄は法務省です。

拘置所は被疑者(起訴された人)を勾留するための施設ですが、逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れのない場合、保釈金を払えば帰宅することも可能です。

留置場とは違って座卓や寝具が備え付けられており、それなりの生活を送ることができます。

最後に刑務所。刑務所は禁錮刑や懲役刑が決まった人が連れてこられる場所で、管轄は法務省です。

部屋は独居房(1人部屋)と雑居房(複数人部屋)に分かれていて、集団生活に向かない人が独居房に入れられるそうです。

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集団生活に向かない人とは、重大犯罪人、暴力団の幹部、有名人などだそうですよ。

死刑を執行しないのは法律違反?

ちょっと話は逸れますが、死刑ってなかなか執行されないイメージありますよね。

記憶に新しいところでは、平成の終わりにオウム真理教関係者の死刑が執行されましたが、死刑確定から十年近くも執行されていませんでした。

実は、刑事訴訟法475条2項によると、死刑は判決確定から6か月以内に執行しなければならないと書いてあります。

刑事訴訟法第475条
1. 死刑の執行は、法務大臣の命令による。
2. 前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であった者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。

(注)太字は小田勝宣による
 

じゃあ何年も死刑を執行しないのは法律違反ってこと?

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そう単純な話でもないようです。

実際に、死刑を6か月以内に執行しないのは法律違反だと訴えた裁判がありました。

そこで出された結論は、「同条二項は、それに反したからといって特に違法の問題の生じない規定、すなわち法的拘束力のない訓示規定であると解するのが相当である。」というもの。

つまり、「6か月というのは法的拘束力のない訓示ですよ~」となったわけです。

平成27年の国会答弁でもこのように回答されています。

刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第四百七十五条第二項本文においては、死刑の執行の命令は判決確定の日から六か月以内にしなければならない旨が規定されているが、これは、一般に、訓示規定であると解されており、六か月以内に死刑の執行の命令がなされなくても、裁判の執行とはいえ、人の生命を絶つ極めて重大な刑罰の執行に関することであるため、その執行に慎重を期していることによるものであって、違法であるとは考えていない。

参議院議員水野賢一君提出死刑の執行に関する質問に対する答弁書 より引用

人の命を奪う刑だけに、慎重になるのは当然とも言えそうですね。

まとめ

今回は「死刑囚って刑務所に入らないの!?」という個人的な衝撃を記事にしてみました。

本記事執筆の動機になり、また参考にした『現代 刑務所の作法』という本は、イラスト満載で刑務所の内情が書かれていて、めちゃくちゃおすすめの一冊です。

  • 刑務所の中ってどうなってるの?
  • 受刑者の1日って?
  • 刑務官はどうやってなるの?

こんな疑問を解決してくれる一冊です。ぜひご一読くださいませ。

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この記事を書いた人

毎日の生活をもっと楽しく、いきいきと過ごすために日々奮闘しています。取得資格はTOEIC925点、英検準1級、日商簿記2級など。趣味は読書とブログ執筆。当ブログ以外にも2つのサイトを運営しています。

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