SDGsへの興味をきっかけに、私は長年愛用していたコンタクトレンズをやめて、メガネ生活を送るようになりました。
またそこから、メガネ業界のSDGsの取り組みについても調べてみたのですが、その中で日本眼鏡関連団体協議会が福井県鯖江市との協力体制でSDGs推進をしていることを知りました。
そんなわけで今回は、福井県鯖江市のSDGsの取り組みについて調べてみたことを記事にしたいと思います。
結論から書くと、鯖江市は歴史的な背景をうまく利用し、未来に向けたまちづくりをしていることがわかりました。
特に目標5「ジェンダー平等を実現しよう」への取り組みに力を入れている印象です!
どういう取り組みをしているのか、具体的な事例について見ていきます。
鯖江市とSDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業
鯖江市は、内閣府の推進する地方創生SDGs事業の「SDGs未来都市」として選出されています。
【SDGs未来都市】
地方創生SDGs HPより
SDGsの理念に沿った基本的・総合的取組を推進しようとする都市・地域の中から、特に、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市・地域として選定されているものです。
また、鯖江市の進める、女性が輝く「めがねのまちさばえ」事業は、先導的な取り組みとして「自治体SDGsモデル事業」にも選出されています。
【自治体SDGsモデル事業】
SDGs未来都市の中で、先導的な取組として選定されているものです。地方公共団体によるSDGsの基本的・総合的取組の中でも特に注力的に実施する事業であり、SDGsの理念に沿った統合的取組により、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い先導的な取組であって、多様なステークホルダーとの連携を通し、地域における自律的好循環が見込める事業です。
地方創生SDGs HPより
人口約7万人と小規模都市ですが、SDGsの取り組みに関しての存在感・影響力はとても大きいです!
それでは、そんな鯖江市がどのようにしてSDGsに取り組んでいるのかを見ていきます!
鯖江市のSDGs取り組み事例
鯖江市の取り組みは多岐にわたりますが、私がユニークだと思ったものは以下の3つです。
- 鯖江市JK課の活動
- 「めがねのまち」としての取り組み
- 関係機関とのパートナーシップ
それぞれ具体的に見ていきます。
鯖江市役所JK課プロジェクト
この取り組みは2014年からスタートしていて、女子高生を中心にしたまちづくりチームです。
JK課の活動は、ふるさとづくり大賞「総務大臣賞」、全国地域づくり表彰「全国地域づくり推進協議会会長賞」、「第11回協働まちづくり表彰」グランプリなど多方面で評価されています。
これは若い世代の意見を汲み上げる仕組みと、実際に携わるJK課の方々の活動が評価されているからです。
そして、JK課の具体的な取り組みとしては、
- 東京大学、津田塾大学、電気通信大学などで鯖江市のPRを兼ねた講義を実施
- 鯖江市の特産品を使った商品開発
- 市のイベントでのボランティア活動
などさまざまで、街の活性化に一役買っていることがうかがえます。
鯖江市はSDGsのなかでも目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を特に重視しているのですが、その原動力は間違いなくJK課でしょう。
ちなみに鯖江市のある福井県は、全国で最も女性就業率の高い都道府県と知られています。
女性の活躍によってSDGs達成を目指す姿勢が素晴らしいです!
参考サイト
https://www.city.sabae.fukui.jp/about_city/shiminkyodo/sabae_jk-kaproject/JKProject.html
めがねのまちとしての取り組み
鯖江といえばメガネを思い浮かべる人も多いと思います。
国産眼鏡フレームのシェアはなんと9割以上もあるそうです。
鯖江市のSDGsシンボルマークもメガネの形で、とてもかわいいです!
そんな鯖江市は、業界団体とも協力しながら、めがねのまちとしてのSDGs推進をしています。
具体的な取り組みとしては、オレンジめがねキャンペーンという、SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」のカラーである「オレンジ」や鯖江の代名詞でもある「めがね」をキャッチツールとして、輝く女性を応援するイベントがあります。
ほかにも、眼の教育「眼育(めいく)」として、幼児期の検査体制強化などにも取り組んでいます。
これらの活動はSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標4「質の高い教育をみんなに」、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に貢献すると考えられます。
国際シンポジウムでの発信
鯖江市は上記のようなSDGsの取り組み事例の発信についても力を入れています。
2007年から提携をしている国連の友Asia-Pacificと連携して、SDGs推進番組を作成したりしています。
こうした活動が評価され、2018年にニューヨーク国連本部SDGs推進会議で鯖江市の活動を演説、翌2019年も同会議でレポートを発表しています。
国境を越えて活動をアピールしているのは本当にすごいです!
こうした活動は、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に貢献するものです。
ほかの自治体を見ても、ここまで発信できているところは少ないと思います。
鯖江市の歴史的背景とSDGs
以上のような非常にユニークな取り組みでSDGsを推進している鯖江市ですが、SDGsの成功モデルとなれた理由はなんでしょうか。
こちらのオンラインセミナーにそのヒントがあると私は感じました。
それは、鯖江市が昔から取り組んでいることを、SDGsと結び付けて新しいチャレンジに生かしているということです。
鯖江市は、昔から「ものづくり」の街として知られていたのですが、その多くは家族経営だったそうです。
家族経営ということで、「男性が働きに出て女性が家を守る」といった価値観ではなく、男性も女性も平等に働くという意識が強く残っているようです。
この価値観を、女性のエンパワーメントを図るというSDGsの取り組みにつなげているというわけです。
また、眼鏡業界団体や国連の友APとの連携についても、SDGs以前から行っていたものであり、ここでもやはり、昔から続けているものをSDGsにつなげているという印象です。
まとめ
今回は、福井県鯖江市のSDGsの取り組みについて書きました。
改めて鯖江市のすごいところを振り返ってみると、以下の3つだと私は感じています。
- 歴史的背景を生かしている
- トップダウンではなく市民・住民ファーストの施策
- 成功事例の発信力
まさに全国自治体のお手本となるような取り組みだと思います。
これからも鯖江市の活動から目を離せません!
コメント