会計と簿記の違いは?これからの時代に必要な会計思考について解説します!

現代ビジネスパーソンの三種の神器として「英語・IT・会計」が挙げられます。

英語とITはわかるとして、なんで会計?って思った人は少なくないはず。

こう思ってしまう理由は、「会計」という言葉が正しく理解されていないからではないかと私は考えています。

特に間違われやすいのが「会計=簿記」というもの。

「会計」と「簿記」は似ていますが、指しているものは全然違います。

というわけで今回は、会計と簿記の違いを説明し、どうして会計が必須スキルと考えられているのかについて解説したいと思います。

のり

大学で会計学を専攻し、簿記2級を持っている私ですが、会計と簿記の違いや重要性に気付いたのはつい最近でした。その経験を踏まえて書いていこうと思います!

目次

簿記と会計の違い

結論から言うと、簿記は帳簿をつけることで、会計というのは財務状況を記録・報告をすることです。

小学生のお小遣いで例えてみましょう。

ある月のはじめに、お母さんから1,000円のお小遣いをもらって、300円のお菓子を買ったとします。

このお金の動き(1,000円手に入れて、300円使った)をお小遣い帳に記録することが簿記です。

そして次の月はじめに、前月のお小遣いの使用状況について聞かれたとします。

そのときに、お小遣い帳をもってお母さんに説明をしたら、それが会計です。

のり

ちなみに、会計=報告というのは英語にすると顕著で、会計を指す “accounting” の元となる単語の “account” は「報告」という意味です!

簿記と会計の重要性の違い

簿記と会計は、それぞれに重要性があります。

簿記を理解していなければ、正しく記録をつけることができません。

財務状態を認識するためには正しい記録が必要なので、そのために簿記は絶対に必要なものです。

かといって記録だけ残っていたとしても、どう解釈するかという判断基準がなければ、その記録に意味はありません。

会計は集まった記録を解釈して報告することであり、会計がなければ簿記の意味もなくなるので重要です。

こう考えていくと、簿記も会計も大事なのに、なぜビジネススキルで必要とされるのが「会計」のほうなのか、という疑問が出てきます。

これは、簿記が専門性の高いスキルで、会計が汎用性の高いスキルというのが影響しています。

実は簿記のことをこれまで「取引を記録する」と簡単に書いてきましたが、取引の形は無限にあります。

記録の付け方も、ある程度のルールはもちろんあるのですが、その企業や組織に委ねられている部分もあります。

つまり、基本的なルールはあっても、実態が企業によってバラバラなのが簿記です。

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転職したら、その企業の細かい決まりごとを覚えなおす必要があるってことか!

それに比べると、会計知識は汎用性が高いです。

会計で使うのは「財務諸表」と呼ばれる書類ですが、これは簿記でつけた帳簿から作成されます。(※)

※財務諸表の作成も簿記の範囲ですが、簿記はルールに従って帳簿から財務諸表を作成するだけで、その内容理解までは求められていません。

財務諸表は、帳簿に比べるとかなり細かくルールが決まっています。

財政状態を把握するためには、過去の業績や企業間の比較が必要で、そのためには統一したルールが必須だからです。

つまり、財務諸表をきちんと読むスキルは、どんな企業であったとしても有効に活用できるスキルなのです。

これがビジネスパーソンで会計が必須だと言われる所以です。

会計力を身につけるには?

 

会計が大事なのはわかったけど、会計の力はどうやって磨けばいいんだろう?

簿記は、日商簿記検定などの試験があるので勉強するイメージがわきやすいと思います。

一方で、会計を勉強するというのは何をしていいのかわからない、という人が多いでしょう。

私自身、会計の大切さを知るためにたくさんの遠回りをしてきた気がします。

のり

実は、会計学を専攻していたのに簿記が苦手で、そのせいで会計にも苦手意識がありました。

そんな私が、会計の大切さを知ったのは、就職活動のときでした。

就職活動のときに私が大切な情報源にしたのが、IR情報(株主・投資家向け情報)です。

成績があまりよくなかった私は、会計学を専攻していることをアピールするために、その企業の財務諸表を事前に予習しておくことにしました。

周りの就活生が、就職情報用のサイトや企業説明会に精を出すなか、私はひたすらIR情報を読み込みました。

IR情報には、嘘偽りのない数字が並んでいます。

その企業の過去や競合他社と比べることもできます。

IR情報の内容を盛り込んで面接に臨んだ私は、結果的に一部上場企業のメーカーに就職することができました。

この話でお伝えしたかったのは、簿記ができなくても会計のセンスを磨くことができるということです。

そして会計センスを磨くための教材は、多くの企業がすでに公開しているということです。

自分の勤めている企業や自分が目罪している企業のIR情報や競合他社のIR情報を見てみてください。

そうすると、たくさん疑問がでてくると思います。

 

経常利益ってなんだろう?営業利益とは違うのかな?

 

この額の大きい「のれん」ってなんだ?

こういう疑問をひとつずつ調べていけば、あっという間に会計のセンスが磨かれていきます。

しかもこうやって身につけた知識は簡単には忘れません。

まとめ

今回は会計と簿記の違いから、なぜビジネスで会計の力が必要とされるのかを説明し、会計センスの磨き方を解説しました。

会計がわかると、ビジネスを見る目が変わります。

私は、IR情報を読み込むなどして会計についてある程度学んだあとに簿記を勉強し、簿記2級を取得することができました。

のり

ちなみに先ほども書いたように、私は大学時代は簿記が大の苦手で、簿記3級の内容も全く理解できていませんでした。

簿記が苦手だな~と感じていても、会計センスとは全く関係ありません。

かつての私のように、簿記が苦手で会計を嫌いになる人が多いのは非常にもったいないです。

会計は、簿記よりずっと身近で、本当はすごく面白いものです。それが伝わればうれしいです。

会計の面白さを知りたい人におすすめの本です!

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この記事を書いた人

毎日の生活をもっと楽しく、いきいきと過ごすために日々奮闘しています。取得資格はTOEIC925点、英検準1級、日商簿記2級など。趣味は読書とブログ執筆。当ブログ以外にも2つのサイトを運営しています。

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