2019年3月、当時27歳の私は長崎県諫早市に移住しました。
親戚や知り合いはおらず、土地勘も全くありません。
選んだ理由はただひとつ。
大型犬を飼える賃貸マンションを見つけたから。
私は7歳から22歳までを横浜市で育ち、その後は大手メーカーの営業職として福岡県と広島県に5年住みました。
悪い企業だったとは思いませんが、私には仕事内容や企業風土が合わず、嫌なことから逃げたい一心で退職を決意しました。
どうせ仕事を辞めるなら夢だった大型犬と生活をしようと考えた私は、全国各地の大型犬を飼える賃貸物件を探し、長崎県諫早市にたまたま条件のあう物件を見つけました。
これが私の移住に至った経緯です。
諫早に住んで2年ちょっと、いわゆる「都会」との違いがだんだんとわかってきました。
そこで今回は、移住してわかったメリット・デメリットを紹介したいと思います。
先に結論を言ってしまうと、メリット・デメリットというのは物の見方であって、絶対的なものではないと私は感じています。
メリットとデメリットは、コインの裏表のようなもの。
では、「田舎」にはどんなコインがあるのか、お伝えしたいと思います。
長崎県諫早市はどんなところ?
諫早市は、長崎県のほぼ中央に位置する都市で、人口約13万4千人で県内3番手の中規模都市です。
首都圏では海老名市(13万5千人)や青梅市(13万3千人)が似たような人口規模です。
県庁所在地である長崎市と、第二都市の佐世保市の間に挟まれる形で、交通の要所として発展しています。
もちろん田舎らしく、海や川や山なんかもあります。
ポイントは、限界集落のような場所ではなく、それなりの規模の都市へ移住したという点です。
もし限界集落のような場所を希望するのであれば、これから私が書く内容以外にも、良い面や悪い面を感じると思います。
あくまで地方都市の移住という観点で捉えていただければ幸いです。
事例で考えるメリット・デメリット
ここでは、私が田舎に住んで気づいた客観的な事実と、それに基づく主観的な感想を書いていきます。
人がいない
都会から移住してくると最初に感じるのは、人がいないということです。
都心に住んでいた頃、疲れて休みたいのに空いているカフェがなくて困ったことがあります。
地図ではたくさんのお店が出てくるのに、どの店も並んでいて入れない。それが都会の生活でした。
一方、地方では行列に並んでお店に入るという経験が滅多にできません。
新オープンの店ならまだしも、チェーン店に並ぶなんてありえないレベルです。
人混みがないというのは間違いなくメリットだと思います。
一方、人が多くないぶん、飲食店だけでなくアパレル店や雑貨店、娯楽施設などお店全般の数が少ないのはデメリットです。
田舎の人はイオンモールでデートするんでしょ?と馬鹿にされますが、イオンモールを上回るデートスポットがないので仕方がありません(笑)
お洒落なレストランや、ロマンチックなイルミネーションや、ネズミのパレードが見れる遊園地は、田舎にはありません。
そういうものは、人がいないと成り立たないんです。
生活コスト
田舎だと家賃安いでしょ?いいな~
地元(つまり都会)の友人と話していると、田舎の生活コストについてよく聞かれます。
たしかに、家賃は東京などの大都市に比べると割安ではあります。
実際、私が住んでいるマンションは築浅45平米の1LDKで6万円台前半の家賃となっていて、東京のそれと比べれば相当安く感じると思います。
しかし、めちゃくちゃ安いかと聞かれたら、「あれ?意外とそんなもん?」って感じではないでしょうか。
私は都心に住んでいた頃、田舎の物件は広くて家賃3万とかなんでしょ、とか思ってました。
そういう物件もないわけではありませんが、都心から来た人には住みづらい仕様の家だと思います。
めっちゃ古いとか、隙間風がすごいとか、車がないと買い物すらできないとか。
都心の感覚で家を探すと、田舎の家賃はそこまで安くないのです。
さらにいえば、都心と違って田舎は水道代が高いです。
あまり知られていませんが、水道代は人口密度と関係しています。
「水代」ではなく「水道代」という言葉でわかるとおり、少ない水道管で多くの人に届けられれば安く済む仕組みなので、人口密度の低い田舎は割高になります。
実際、私たちが住んでいる長崎県で2人暮らしをしている世帯の月あたりの平均水道代は5,237円で、全国で4番目に高いという調査もでています。
ちなみに1位から3位は長野県、滋賀県、栃木県で、比較的田舎とされる都道府県です。
東京と大阪はそれぞれ27位と45位となっており、水道代については都会のほうが割安で済むことがわかります。
それから、食材や日用品については特にそこまで安いということは感じません。
というより、都会は高くて良いお店もあれば、コスパのいいお店、安かろう悪かろうのお店など選択肢がたくさんあるのに比べて、田舎はそもそもお店の選択肢が限られているので、比べるのが適切ではありません。
ただし、最近はAmazonなどのネット通販が発達しているので、生鮮食品などでなければ、田舎であってもそこまで価格差なく必要なものは揃えられると思います。
(水道代データ参考サイト)
https://price-energy.com/energyprice/together4
友達と距離ができる
移住すると、友達と会う機会がガクンと減ります。
私自身は、そもそも大学卒業とともに転勤族となったため、慣れていましたが、そうでない人は結構寂しくなると思います。
とはいえ、これも良いか悪いかは考え方次第です。
長く同じ場所に住んでいると、なんとなくダラダラと続いている友人関係もあると思います。
移住は、ダラダラした友人関係をスパッと切り替えるチャンスです。
移住すると、遊びに誘われることがなくなります。
旧友と遊びたくなったら、こちらから帰省日程を伝えて遊びたいと告げればいいので、私個人としては願ったり叶ったりな状況ですが、人によってはつらいかもしれません。
まとめ
個人的には、移住をしてよかったなと思える2年間でした。
しかし、誰もがみんな移住をすればいいとは思えません。
世の中の大半のことは、良い面と悪い面を持ち合わせています。
あるいは、人によっては良い面が、ほかの誰かにとっては悪い面になります。
客観的な事実から意味づけするのは私たち自身なんだと思います。
今回の記事で取り上げた内容はほんの一例に過ぎませんが、移住を考えている人が「自分に地方移住が合っているか」を考えるきっかけになれば幸いです。
\地方移住の裏表/
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