長年コンタクトレンズを愛用していた私ですが、最近メガネの着用をするようにしました。
詳しくは過去記事に書いているのですが、コンタクトをやめた最大の理由は環境負荷を少なくするためです。
眼鏡探しをする中で私は、眼鏡を販売している会社でもSDGsの取り組みをしていることに気が付きました。
そこで今回は、眼鏡販売大手4社と眼鏡業界団体のSDGsへの取り組みについて調べてみました。
企業によってさまざまな取り組みがされていて、とても興味深かったです!
業界団体とSDGs
大手企業を取り上げる前に、業界団体のSDGsへの取り組みについて取り上げたいと思います。
メガネ販売業界とつながりの強い業界団体として、日本眼鏡関連団体協議会(略称:日眼協)と日本眼鏡販売店連合会(略称:日眼連)があります。
この2つの団体の関係ですが、日眼協が上部団体、日眼連が下部団体にあたるようです。
日眼協は「世界的視野に立ち、生活者の視生活の向上と業界の発展に貢献すること」を目的とした団体であり、
日眼連は「快適な視力・視生活を消費者に提供することを目的とした眼鏡販売店の育成と発展、及び消費者基本法等の法令遵守による消費者との相互信頼市場の醸成に寄与すること」を目的とした団体です。
SDGsの取り組みについては、まず日眼協が推進することを決議し、その決議を受けて日眼連も推進を理事会で決定しました。
その日眼協が、2020年に眼鏡業界SDGs宣言として「メガネですべての人が豊かな生活を送れる社会をつくろう」を発表しています。
その後は、眼鏡の産地で有名な福井県鯖江市と協力してイベントを企画しています。
ひとつは、国際女性デーのアピール「オレンジめがねキャンペーン」です。
こちらはSDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に貢献するもので、SDGs目標5のカラーであるオレンジ色を使って女性を応援するユニークな取り組みです。
もうひとつは、「さばえ めがねをかけようキャンペーン」というもので、キャンペーン期間中の売上の一部を医療従事者支援に充てられるというものです。
こちらはSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」に寄与するものだと考えられます。
また、市との連携以外にも、国際メガネ展 IOFTでの啓蒙活動なども行っています。
この国際メガネ展 IOFTでは、メガネの最も似合う各界の著名人に贈られる「日本 メガネ ベスト ドレッサー賞」が発表されています。
2020年度はなんと、新たに「特別賞SDGs部門」が設けられました。
ちなみに、はじめての受賞者は、東京ガールズコレクションのSDGs推進メンバーでもある、モデルの生見 愛瑠さんです。
自治体との連携や展示会での啓蒙活動など、業界団体だからこその活動が際立っている印象です!
参考サイト
https://www.megane10-01.com/about
https://www.megane-jaos.com/689/
https://www.glafas.com/news/topics/201028bestdresser_nukumimeru.html
JINSとSDGs
- 環境に配慮した店づくり
おしゃれなメガネを安く買うことのできるJINSですが、私が注目したのは店舗でのSDGsへの取り組みです。
すでに既存の店舗の90%以上が、LED照明を導入しているようです。
LED照明は消費電力が少なく、寿命が長持ちするので、エネルギー問題・ゴミ問題の解決に繋がります。
また最近では、眼鏡を展示する什器に国産木材を積極活用するなど、カーボンフットプリントの低減や地域経済への貢献にも取り組んでいるようです。
カーボンフットプリント
https://sustainablejapan.jp/2016/02/04/carbon-footprint/21073より引用
直訳すると「炭素の足跡」。商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したものです。
こうした活動は、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や目標15「陸の豊かさも守ろう」に貢献すると考えられます。
JINSは日本だけで400を超える店舗数があるので、環境に配慮したお店づくりの意義は大きいと思います。
参考サイト
https://jinsholdings.com/jp/ja/sustainability/
インターメスティック(Zoff)とSDGs
- アイバリア(目の疾患や眼鏡に対する偏見)への取り組み
Zoffの素晴らしい点は、社会問題に向き合う姿勢だと思います。
たとえば、花粉症の人のための花粉を最大98%カットするメガネや、マスクと相性のいいメガネなど、多くの人が悩んでいる問題の解決に向けた商品を販売しています。
また、商品ではありませんが、弱視者向けのアイウエアを寄贈したり、小学生・ビジネスパーソンのブルーライトカットメガネの効果検証など、社会問題となっていることに積極的に取り組んでいます。
こうした姿勢は、目標3「すべての人に健康と福祉を」や目標12「つくる責任 つかう責任」に合致していると思います。
「困っている人を救う」というシンプルだけど難しい問題にチャレンジしている印象です!
参考サイト
https://www.zoff.com/sustainability/
メガネの三城(パリミキ)とSDGs
- 眼鏡を通じた海外支援
キャッチーなCMのフレーズがとても印象的なメガネの三城(パリミキ)ですが、SDGsへの取り組みは質実剛健なイメージを受けました。
HPでは、SDGsひとつひとつに対し、しっかりと取り組みが記載されています。
そのなかで私が興味を持ったのは、海外との連携です。
たとえば、上海大学の眼鏡学部設立に携わったり、フィリピンが台風に見舞われたときに災害支援メガネを配布するなどユニークな支援をしています。
とりわけユニークな取り組みは、スリランカへのメガネ寄贈活動です。
これは使わなくなってしまったメガネをあずかり、リメイクして寄贈するというもので、これまでに累計55,000本以上を寄贈してきたそうです。
こうした活動は、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」や目標4「質の高い教育をみんなに」に貢献すると考えられます。
リサイクルして寄贈するというのは、環境にも配慮された良い取り組みだと感じました!
参考サイト
https://www.paris-miki.com/hd/csr/sdgs/
メガネトップ(眼鏡市場)とSDGs
- 環境に配慮した商品の開発・販売
眼鏡市場はなんと、SDGsを謳ったメガネが販売されています。
それはエコ樹脂フレーム『FREE FiT』というブランドです。
このブランドの特徴は、トウゴマを原料にした植物由来の樹脂素材をフレームに採用しているところで、生産過程のCO2排出量を抑えることができています。
また、商品そのものだけでなく、メガネケースも再生紙を利用しており、まさに環境に配慮したブランドといえます。
こうした商品を開発・販売することは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」や目標15「陸の豊かさも守ろう」に貢献すると考えられます。
眼鏡市場のメガネは、実用性やフィット感がピカイチで、その開発力は素晴らしいと思います。(ちなみに私は眼鏡市場ユーザーです!)
参考サイト
https://www.meganeichiba.jp/frame/brand/freefit_sustainable/
まとめ
今回は眼鏡業界におけるSDGsの取り組みをまとめてみました。
もちろん今回取り上げた大手販売業者の取り組みにも感心しました。
しかし私がいちばん衝撃的だったのは、業界団体の取り組みの本気度でした。
日眼協の白山聡一代表幹事は、代表挨拶でこう述べています。
SDGsによって喚起される世界を見据えたエシカルな思考に向き合うことで、当協議会の目指す「世界的視野に立ち視生活の向上…」の意義を改めて反芻しどのように実践につなげるかを追求して参ります。
日本眼鏡関連団体協議会HP 代表挨拶 より
SDGsというのは目指すべきゴールが示されているだけで、そのやり方は各々に委ねられているもの、とよく表現されます。
どうでしょうか。私は、まさに、この挨拶で述べられている「追求」が、SDGsとの正しい向き合い方だと感じました。
コメント